N Delete とは
ファイルを「削除」しても、ストレージ上のデータが直ちに読めなくなるとは限りません。N Delete(エヌデリ) は、対象ファイルを複数回乱数データで上書きしてから削除する Rust 製の試作ツールです。
ソフトウェアエンジニア 寺島和宏 (howlrs) が開発・公開しているこのツールは、Rust で実装されており、オープンソース(MIT License)で提供されています。
なぜ「上書き削除」が必要か
通常の削除では、ファイルシステムの状態やストレージの実装によってデータの扱われ方が異なります。上書き削除は一つの手段ですが、すべての媒体・構成で復元不能にできるものではありません。
N Delete は削除前にファイル内容を複数回ランダムデータで上書きする処理を実装しています。処理結果は利用者自身で確認してください。
主な機能
複数回上書き削除
上書き回数は設定できます(既定値は3回)。ただし、回数を増やしても完全消去の保証にはなりません。特に SSD、TRIM、有効なウェアレベリング、スナップショット、バックアップ、クラウド同期や暗号化ストレージでは、意図した上書きがすべての複製・物理領域に及ばない場合があります。
処理記録の出力
処理後に「いつ・どのファイルを・何回上書きして削除したか」を示すテキストを出力します。これはアプリが実行した処理の記録であり、消去の完全性、法令適合、監査要件への適合を証明する文書ではありません。
シンプルな 4 ステップ操作
操作フローは非常にシンプルです:
- パスの入力 — 削除したいファイルのパスを指定する
- 解析 — 対象ファイルの情報を確認する
- 削除実行 — 上書き&削除を実行する
- 結果確認 — 完了状態と処理記録を確認する
難しい設定はありません。ファイルを指定して実行するだけです。
こんな方におすすめ
- 上書き削除の実装を検証・学習したい方
- 単一ファイルに対する処理記録を手元に残したい方
- 自身の保存環境の仕様を理解したうえで利用・検証できる方
Rust 製・オープンソース
N Delete は Rust で実装されており、高速かつメモリ安全な動作が期待できます。ソースコードは GitHub で公開されており、MIT License のもと自由に利用・改変できます。
コードを読んで動作を確認したい方、自分の環境向けにビルドしたい方も歓迎です。howlrs のオープンソースへの取り組みの一環として、透明性を大切にしています。
入手する
github.com/howlrs/ndelete_rs からソースコードの取得やリリースバイナリのダウンロードができます。
重要な情報の廃棄や法令対応には、媒体、バックアップ、クラウド同期を含む運用全体を確認し、必要に応じて組織の規程や専門家の判断に従ってください。